「あの日」を伝えつづけるために立ち上がったこどもたち、「石巻日日こどもラッパーズ」の企画第二弾は、江戸時代、日本人ではじめて世界を一周した宮城の人たち「若宮丸」の乗組員たちの姿を伝えるナンバーだ。
「若宮丸」は米や材木などを積んだ「千石船」と呼ばれる船で、1793年11月27日、江戸を目指して石巻を出発するも、折からの暴風雨に漂流。半年かけてアリューシャン列島にたどりついた後はロシア人に連れられてヤクーツク、イルクーツクへ。やがて日本との貿易を目論むアレキサンドル1世に呼び出され、一路モスクワへ。世界一周と日本との通商を託されたレザノフとともに「ナジェージダ(「希望」の意)号」で大西洋をわたり、南アメリカの南端を通ってマルケサス諸島やハワイ、アリューシャン列島。長崎の出島へ着いたのは1804年9月、日本を離れて実に11年後のことだった。途中で死別もしくは帰化することを望んだ仲間により、たどりついたのは16人のうち4人だけだった。しかしすぐさま彼らが故郷に帰れたわけではなく、レザノフへの返答に半年かけた幕府はその後半年かけて漂流民の取り調べを行い、さらに伊達藩に移されてからも2ヶ月の取り調べ。彼らがやっと故郷の地である宮戸島(宮城県現東松島市)、寒風沢島(塩釜市)の土を踏んだのは実に漂流から13年後、1806年3月のことだったという。
彼らはそんな過酷な目にあいながらも、それぞれの能力やバイタリティをいかし、果敢にその人生を全うしようとした。その生き様は、震災を乗り越えた我々の先人ともいえる存在だ。それを伝えるのはヒロム、唯歌、ケーシローの3人。それぞれの持ち味をいかし、乗組員を描き出したのが本作である。
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